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サンフレッチェのユースとか選手構成を調べてみた

土曜日の試合では柏に後半ロスタイムの失点で勝ち点を逃す結果に。
ホームで勝ち点を失うというのは非常に痛い。
もう余りにも悔しくて土曜日の夜は寝付けませんでした

ただ、これもサッカー。
1シーズン制における優勝争いはこれが初めて。
全ての経験を血肉にしていきましょう


話は飛んで今回はユースや選手構成の雑談。
相変わらず集計したデータにはミスがあると思いますがご了承ください

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少し前の話ですが、広島サポがやきもきしていたリリースがようやく出ました

野津田岳人選手(サンフレッチェ広島ユース)の新加入内定のお知らせ
《サンフレッチェ広島 2012年10月21日閲覧》

 サンフレッチェ広島では2013シーズンの新加入選手として、野津田岳人選手(サンフレッチェ広島ユース)の加入が内定いたしましたので、お知らせします。

本人コメント
僕は小さい頃、サンフレッチェを見て、サッカーを始めました。ビッグアーチにも応援に行き、そこでサンフレッチェの選手としてプレーすることが目標でした。その夢がかなったことをうれしく思います。早くビッグアーチのサポーター皆さんの前で活躍できるように頑張ります。応援をよろしくお願いいたします。

すでにリーグ戦5試合、カップ戦2試合に出場。
のみならず、それらの試合できっちり存在感を出しているのだから本当にすごい。
(第10節アウェイ柏戦、ロスタイム石原のだめ押しゴールのアシストなど)

これに合わせてよく聞くのが他の子は昇格しないのかというもの。
ちょっと調べてみたところ、ここ数年間はほぼ同時の発表となっている様子。
今年は野津田君のみの昇格ではないかと予想しています

 
(注記)
高萩洋次郎岡本知剛については早期昇格(高校在学中に昇格)なので除外



数に大小はありますが、ほぼ毎年ユースから昇格しています。
しかし、去年は久しぶりにユースからの昇格がゼロ。
そのことについて今年のシーズン前、第8回サポカンでも触れられていました

第8回サポーターズ・カンファレンス議事録(2012年1月14日)

2.選手強化と育成について(織田強化部長)
 「ユースからなぜ昇格させなかったのか」「今年は強かったが、有力な選手はいなかったのか?」という点について。ユースからプロチームに昇格させる選手のハードルが年々高くなっています。本当はこんなことはしたくないのですが、高卒選手、ユースからの昇格選手については3年間を1つの目途として考え、プロ選手として将来性を感じるかどうか見極める必要があります。幸いに、サンフレッチェユースの選手はプロに上がれない場合も大学へ進学し、サッカーを続けられる環境が整いつつあります。大学へ行って4年間勉強もサッカーも頑張ることは、その子の人生にとって大事だと思います。4年間しっかり磨いてプロにもう一度チャレンジすることも可能ですし、遅くない。だからこそ、厳しい目で見ないといけないのです。

近年はユースの昇格基準が厳しくなっているという話。
試しにユースが"黄金世代"と呼ばれた2005年以降の新人選手の獲得数で見てみます

選手構成12A

ここには外国人の新人選手は含まれていません。
グラフの通り、近年は新人をまとまって獲得するという年自体が少ないと言えます。
新人の獲得の中でユースの影響力が落ちていう指摘は成り立たないでしょう


実は、2008年のサポカンではユース色を強くするという話がありました。

第4回サポーターズ・カンファレンス議事録(2008年12月14日)

1.クラブ運営(本谷)
 来年・再来年についての戦力についてですが、サンフレッチェの基本は「若手の育成によるクラブ運営」が基本になります。これは地方クラブとして、若手の育成に力を入れ、そこで足りない部分は補強するという考えです。今まで培ってきたノウハウもあるし、Jリーグのチームの中でユース出身者も含めますと今のレギュラーで50パーセントちょっとがユース出身者です。
 Jリーグではガンバ大阪が最も多く(ユース出身者を抱えており)、サンフレッチェはその次に続いています。現在、ガンバ大阪に若干差をつけられている感があります。そういった部分で若手の強化、ユース、ジュニアユースをトップに上げていくという流れを今後もっと強くしていきたい。来シーズン、当然ながら戦力的に劣るポジションは出てくると思います。そういう部分を他のクラブから、または海外から補強していくという考え方で進めていこうと思っています。

この年のユース昇格は篠原、内田、横竹、そしてシーズン途中に岡本の4人。
チームの方向性をユース重視にシフトしているのが窺えます

では、ユース出身者は実際にどれくらいいたのかってのが次の図

選手構成12B

レギュラーだけでなくとも2008年には50%に迫る勢い。
その翌年には50%に届きましたが、そこからは減少してここ2年は30%台

前述したとおり、去年は久しぶりにユースからの昇格がありませんでした。
脇本君は昇格するのかと思っていたのですが、ハードルが高くなっているのを実感します 

選手構成12C

(注記)
レンタル移籍で他チームに在籍している選手はカウントしていない
シーズン開始時のメンバーでチェックしているため途中加入選手は含まれていない
高卒または大卒でも外国人選手は"外国人"の方で集計している

先ほどの図でも明らかなように、この2年はユース出身は地道に減少しているようです。
一方で"外国人"と"移籍組"の選手はほぼ同値で推移しています。
新人の獲得よりも移籍獲得、特に近年は"0円移籍"が大きな影響を与えているようです


余談ですが、選手全体の数にも着目すべきかもしれません。
2005年、2006年、2009年は30人を超えていましたがここ3年は30人を切っています。
今年に至っては26人でスタートを切っており、少数精鋭を目指しているかのよう。
(松本フィジカルコーチの手腕もあって怪我人が少ないことに感謝しなければ) 

また、毎年言われているように大卒新人はあまりいません。
実際にWikipediaのページとにらめっこして新人をチェックしましたが昔から少ない。
過去20年間で19人という結果になりました…1年に1人もいない計算

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出身構成と同じくらい選手構成で気になるのが年齢構成。
ここまで結構なボリュームになっているのでサクサクっと見てみましょう

選手構成12D

(注記)
年齢は全て満年齢による
年代の区分けは、高卒新人19歳から4年おきに区切っているだけ


こうして見てみると、2008年シーズンから明確な傾向が見て取れます。
すなわち、4年連続で23歳~26歳が増加傾向、そして22歳以下は減少傾向。
これが指し示すのは新人・若手の減少そのものです

【参考】
チーム別 年齢構成
《さっかりん 2012年10月21日閲覧》

選手構成12E

(注記)
世代の分け方は次の年に生まれたかどうかを基準にしている
1969年~1972年:バルセロナ世代
1973年~1976年:アトランタ世代
1977年~1980年:シドニー世代
1981年~1984年:アテネ世代
1985年~1988年:北京世代
1989年~1992年:ロンドン世代
1993年~1996年:リオデジャネイロ世代


世代構成に切り替えてみるとこんなグラフになります。
今年ようやくリオ世代のイ・デホンが加入しましたが、若い世代の薄さは否定できません

そしてアテネ・北京世代の圧倒的存在感

これから数年間はその恩恵を最大限受けられることでしょう。
そこから先はアテネ・北京世代からの世代交代が何よりも課題になりそうです

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今回のまとめ
  1. ユースの昇格が減ったというより新人獲得が減少気味
  2. "0円移籍"が大きな影響を与えている気がする
  3. アテネ・北京世代からの世代交代が今後の課題

第9回サポーターズ・カンファレンス議事録(2012年7月21日)
《サンフレッチェ広島公式 2012年10月12日閲覧》

【育成について】
 また、ユースが日本一になることは素晴らしいことであり、選手・スタッフ共に頑張っています。しかしながら、プロチーム(トップ)のレベルも年々上がっており、ユースからプロへ昇格するハードルは5年前・10年前と比較して間違いなく高くなっています。従って、過去のように毎年複数の選手が昇格することは想像しにくい状況になってきています。そこでは、選手の見極めが非常に大切になります。

今夏に開かれた第9回サポカンでもユースについて言及がありました

ユースからたくさん若手が昇格するというケースは暫く見れないかもしれません。
ただ、数年後には大きな世代交代があり得るため、その時に重要になりそうです。
もちろんソフトランディングが理想的ではあるのですが

今年は野津田君の他、浅野君キム・ジョンソクパク・ヒョンジンの4人が内定しています。
彼らが将来のチームを支えてくれることを信じて願っています

そのために必要なのは経験。優勝の経験ですよ

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