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シンポジウム

第4回夢スタシンポジウム簡易レポート ~サッカー"専用"スタジアムと呼ばないで~

①4回目となるスタジアムシンポジウム
yumesta4-01
サンフレッチェ広島より》

今回でスタジアムシンポジウムは都合4回目

2012年8月にスタートした署名活動を受け同年11月に1回目を開催
2013年5月にはクラブ・後援会・県サッカー協会のの大方針を決定した第2回目
同年8月の第3回ではYUME★STA PROJECTがスタート

【参考】
《Part.1》 第1回サッカースタジアム建設シンポジウム 前半レポート
《la vie en violette 2014年2月28日閲覧》

『ひろしま夢スタジアム~スタジアムは、街づくり~』シンポジウム レポート&感想
《継続は力なり 2014年2月28日閲覧》

第3回 夢スタジアムシンポジウム まとめ
《継続は力なり 2014年2月28日閲覧》

3回目までの開催意図は極めて明確です。では4回目のコンセプトは何なのか。
おそらく3月にサッカースタジアム検討協議会が行う中間とりまとめを睨んでのものでしょう

START for 夢スタジアム実行委員会に簡単な開催概要はアップされています。
ですが、今回は参加者側のレポートが少ないようなので簡単にまとめておきたいと思います






②サッカー"専用"スタジアムと呼ばないで
第4回シンポジウムは大きく3つのテーマに分けて話が進められました。
すなわち(1)サッカースタジアム検討協議会の進捗、(2)建設候補地の現状、(3)質疑応答

(1)サッカースタジアム検討協議会の進捗においては協議会の開催概要が説明されました。
これはサッカースタジアム検討協議会の開催概要まとめをご覧ください

この中で小谷野社長から重要な報告がありました。

第4回夢スタシンポジウムにおける小谷野社長の発言
《第4回夢スタシンポジウム》

 それから、ガンバ大阪の野呂社長の2点目のポイントはですね。やっぱり複合機能がもはやこれから作るスタジアムでは前提になっていて、多目的に使えると、試合がない日でも色々な行事等で使えますと、いうのがもはや当たり前の状況になっているということですね。
 私が年末の検討協議会で今後は"サッカー専用スタジアム"という言い方をやめてですね、"サッカースタジアム"もしくは"複合スタジアム"という言い方にしてくださいということをアピールして、それは認められたということなんですけれども。
 サッカー専用ということではなくてですね、様々なことにスタジアムが使えるというところの認識はもっともっと広島の街の中で共有されてしかるべきだと思います。

 これはですね、我々もそうした理解を進めていくために全力を尽くしますけれども、ぜひこの会場にいる皆さんにはですね、実はサッカースタジアムというのはサッカーもやるけども複合機能もいっぱいありますと、試合がない日も様々な賑わいを作りますと、いうことを是非訴え続けていただければと思います。
 これは我々の中ではかなりもう一般化されたといいますか、共有された認識だとは思うんですけれも、実際まだまだですね、スタジアムに駆け付けてくださるサポーターの方々と話しているとですね、まだまだその点明確に認識されてない方々も、実はサポーターの方々の中にもまだいらっしゃるのが現状ですので。是非その辺の周知徹底というかですね、認識の共有を我々のスタジアム建設運動の中での1つの大きな柱にしていただければと思います。

2013年12月18日にエディオンスタジアムにて開催された協議会。
この場で、"サッカー専用スタジアム"という表現を使用しないということが受け入れられたとか

何故"サッカー専用スタジアム"という表現が生まれたかについての考察は誰が"サッカー専用スタジアム"と呼び始めたのかにてまとめています。
ここにあるとおり、その呼称にする理由とメリットは確かに存在していたのだと思います。
しかし、広島ではそのデメリット面が大きくなってきているということでしょう

今後、当ブログでも特別な理由がない限り"サッカー専用スタジアム"とは表記しません

皆さんも今後はできる限り"サッカー専用スタジアム"と呼ばないことにしませんか


③各候補地の話の裏に見える真意
続いて(2)建設候補地の現状の話に入りましょう。
ここでは候補地のうち、中央公園自由広場・芝生広場、みなと公園、西飛行場跡地の3カ所について考えられる課題などを説明されました


◆中央公園自由広場・芝生広場
  • 隣接する市営基町高層住宅との間に騒音問題が発生する可能性

◆みなと公園
  • 隣接するマンションとの間に騒音問題が発生する可能性
  • 普段から交通渋滞が発生している
  • 路面電車の終着点であり、所要時間も含めて現状と変わらないのではないか
  • 周辺に3000台規模の駐車場を作れないと厳しい

◆西飛行場跡地
  • 普段から交通渋滞が発生している
  • 軌道系公共交通機関が存在しない
  • ヘリポートの存在により緊急時対応に支障が出る可能性

上記3カ所の説明の後、旧広島市民球場跡地の交通アクセスの良好さ等を訴えました


これらはあくまでもサンフレッチェ広島のスタッフが歩いて回った感想であり、要検証。
参考レベルにとどめるべき資料でありましょう

一方で、同時にクラブからの必死な声が聞こえてくるようでした。
すなわち、旧広島市民球場跡地の問題点は指摘されるのに他の候補地ではそれがないと

評価軸を適切に定め、全ての候補地において公平な評価がされることを望みます



④第5回シンポジウムに向けて
(3)質疑応答については割愛。
報告事項が多く、時間自体が1時間半と短かったため駆け足なシンポジウムでした。
中島浩司さんのコメントもありましたが、もうちょっと時間がほしかったところ


小谷野社長の言葉にあるようにサポーターの中でも理解を高めなくてはならない状況

シンポジウムでは、北九州市のような出前講座を受け付けているという話もありました。
さらに、早くも第5回のシンポジウムが予定されています

こういった機会を逃さず、サポーター側も理解を深める努力をしましょう




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《Part.6》 第1回サッカースタジアム建設シンポジウム 前半レポート

※当記事は2012年11月5日に開催されたスタジアムシンポジウムに関するものです※


今回はシンポジウム前半レポートの最終回。
最後に傍士氏が述べた細々とした話をまずまとめつつ、最後に簡単に締めたいと思います

各地のスタジアム構想
  • 北九州のスタジアム構想
  • 徳島のスタジアム構想


これからのスタジアム

これからの時代=少子高齢化、人口減少の時代
→サッカーが好きな人、スポーツの好きな人という単純な動機で集めるのは難しい
→観戦動機をいかに増やすかが鍵(食事など)
→動機がたくさんあるスタジアムがこれから重要に

笑顔がたくさんあるようなスタジアムを作っていきたい
しかめっ面の人が怒っているスタジアムより、老若男女が笑顔をこぼすようなスタジアム


Jリーグ開幕宣言

「スポーツを愛する多くの皆様に支えられまして今日ここに大きな夢の実現に向かってその大きな第一歩を踏み出します」
→この言葉の「スポーツ」を「スタジアム」に変えるだけで今日話をした価値があるかもしれない


広島について

ヨーロッパ勤務時に知っている日本の都市をあげてもらった
→回答で出てきたのは東京、大阪、京都、そして広島
→その広島は戦争のイメージの広島
→これからは逆に、プロスポーツの街広島、平和の使者というイメージを

世界最古のサッカークラブ=シェフィールドFC
→世界最古のクラブという看板だけで世界中を回ってチャリティイベントを行っている
→スポーツ文化を売りにしていくプロモーションもあっていいのでは



ここまでがメモ書きをもとにした基調講演ラストです。
以下は基調講演を見聞きした上で感じた、全体の感想と簡単なまとめ


②Jリーグの求めるスタジアム像
ここまで傍士氏の基調講演をまとめてきました。
その根幹となるのは前回・前々回で触れた"スタジアム八策"でしょう

このレポートは2010年に行った欧州視察のまとめでもあります
実際に、基調講演でも具体的事例の紹介が多く、新鮮なお話でした


その他では第1回で取り上げた街スタ・スタ街
第3回スタジアムの変遷管理→運営→経営という段階。
そして今回記述した観戦動機を増やすという考え方

これらが重要なポイントとなるのは間違いありません


今回のシンポジウムで傍士氏が語られたのは、いわばJの考えるスタジアム哲学。
「こんなスタジアムがあったらいいな」という理想を言葉にしたものです

一方でJリーグが指標として用意しているのがJFAのスタジアム標準

サッカースタジアムの建設・改修にあたってのガイドライン
《規約・規程|JFA 2013年4月29日閲覧》

 本スタジアム標準は、日本サッカー協会が 2002 年に発表した「スタジアム標準」をもとに、FIFA(国際サッカー連盟)が提示した「サッカースタジアム技術的推奨及び要件」を踏まえ、スタジアムのあるべき姿を示したものです。
 今回の改訂にあたっては、二つの視点があります。ひとつに、 “スタジアム・ホスピタリティ”です。スタジアムは、そこでプレーする人ばかりでなく、観戦者、大会等の運営者、管理者、地域住民など、非常に多くの方々が関わりを持ちます。こうした多くの方々の誰にとっても、より愛されるべき“サッカースタジアム”を目指すものです。特に、観客席は冬期においても気持ち良くサッカーを観戦できるようなオールシーズン対応型を目指し、その他に入場ゲート、コンコースの売店・レストランの整備など、観客にとって、これまで以上のより一層のホスピタリティ溢れるサッカースタジアムを目指します。
 ふたつめは、“世界標準”。サッカーは世界のスポーツです。2002 年のFIFA ワールドカップの記憶も新しいところですが、各種世界大会を誘致するには、世界を視野に入れた魅力的なスタジアム環境が求められます。それには、スタジアム自体が、時代に応じて、サッカー、スポーツの魅力を最大限に世界中の人々に発信できる機能を有していることが求められます。
 本標準は、新しくサッカースタジアムを建設する際の指標になることは勿論、改修など既設のスタジアムを充実させる際に拠り所となることを主眼としています。本標準に沿うかたちで、スタジアムが建設・改修されることで、プレーする選手、観客、試合を運営する関係者、更にはスタジアム周辺の地域住民に対して、サッカーというスポーツのより一層の素晴らしさ、楽しさを提供できることを心より願うものです。

「スタジアムはかくあれ」を定めたのがこのスタジアム標準だと言えるでしょう

その中身は先ほどの"スタジアム哲学"がふんだんに散りばめられています。
ホスピタリティはもとより、ロケーション、エコスタジアム等々...

今回のシンポジウムを切っ掛けにして、改めてスタジアム標準を読んでみるのもいいでしょう。
新しく見えてくることもきっとあるはずです


③スタジアムを作るのはクラブ、ファン、そして地域
Jリーグの求めるスタジアム像はとても立派なものです。
そのスタジアムならカスタマーサティスファクションを最大化できることを疑っていません

しかし、一方でそんな立派なものが簡単に作れるのでしょうか

スタジアム建設にはいくつかのハードルが存在します。
1つ目は金銭面。お金がなくてはスタジアムを作ることは出来ません。
2つ目は土地。建てるだけでなくロケーションも含めて適切な土地が必要です。
3つ目は理解。行政の力を借りる場合は地域の理解が不可欠です。
他にも法令や管理・運営など様々な制約が出てくると予想されます

Jリーグの求めるスタジアム像はこれらのハードルを越えた先に存在しています。
あくまでもそれは理想として、地に足を付けたスタジアム像も意識するべきでしょう


Jリーグのスタジアム像は海外の研究に裏打ちされたものが多く、それが実際に建設を考えている地域にも当てはまるかどうかは疑問が残ります

前回のまとめで取り上げたアオーレ長岡のようにまずは自己分析。
そして、"スタジアム八策"の説明で用いられた「ロケーションを決めるのはそのスタジアムに何を求めるか。目的、そのスタジアムから街として地域として何を得たいかそれが合意されれば自ずと場所は決まってくる」という言葉を大事にするべきではないでしょうか


Jリーグのスタジアム像はしっかりと参考にしつつ。
その上で自分たちに必要なスタジアムとは何なのかを深く考えることが大事。
それがこの基調講演を聴いた上でだした私の結論です

「○○が××と言っていたから」という理由は拙い。
"スタジアムは街の誇り""私たちのスタジアム"というためにはそれだけでは足りないのです



④参考資料、その他の補足
今回は短いですが、シンポジウムで配付された資料3点について。
ここまで何度となく取り上げたJリーグニュース特別編も入っていました


プログラムの裏面にはサンフレッチェの署名ページにもある"「サッカースタジアム」の潮流"のほか、"サッカースタジアム建設が地域にもたらす効果"、"全国で構想・計画が具体化しつつあるスタジアム候補地"が載っていました。


最後にJリーグのスタジアム像を理解するのに適した資料をまとめておきます

中国新聞の特集第三部は5月中旬から掲載されるそうです


見たことがないものがあったら是非一度見てみてください

「スタジアムが必要」と言うは易し行うは難し。
そう思ってない人を説得するためには自分の中でしっかりと消化しておかないと難しい

「何かできることはないか」と考えている人はまず勉強してみませんか



約2ヶ月と長いシリーズになってしまいましたがお付き合い頂きありがとうございました。
なんとかスタジアム協議会がスタートするまでにと思って企画した本シリーズ。
書き終わった段階ではまだ立ち上がっていませんが、間に合ったでしょうか?

シンポジウムの後半については現在未定となっています。
すでに書き起こしは出来ているのですが、プライベートな都合で時間に余裕がありません。
夏頃に改めて再開出来るよう準備しておきます

拙い文章でしたが、少しでも参考になれば幸いです


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《Part.5》 第1回サッカースタジアム建設シンポジウム 前半レポート

※当記事は2012年11月5日に開催されたスタジアムシンポジウムに関するものです※


前回に引き続き、今回も"スタジアム八策"について
5.街中スタジアム
これからはロケーション次第
 
ロケーションを決めるのはそのスタジアムに何を求めるか。
目的、そのスタジアムから街として地域として何を得たいか
それが合意されれば自ずと場所は決まってくる

  • アムステルダムの事例…スタ街

アウェイツーリズム
浦和、FC東京、G大阪、名古屋、もう1つどこかがアウェイ客として大きい
年間780試合で100万人が動いている
これはスタジアムが決め手になる。毎年ここには行きたいと思わせるようなスタジアム必要
浦和へ聞き取り調査…50人乗りバスでどのくらい繰り出したか…札幌まで4000人、広島まで4000人
サッカーであれば毎週末起こる。スタジアムが良くなれば増えていくのでは


6.複合型とスタジアムビジネス
365日のうち30日しか使わないのはもったいない
ならば、多機能・複合型にすればいいじゃないか…スタジアムビジネス 

  • ベルリンの事例
  • バーゼルの事例
  • PSVの事例
  • ボルトンの事例
  • コベントリーの事例
  • バイエルンの事例
  • 長岡市の事例 ⇒今回PICKUP!!
 
日本の中でも街中にスポーツと公共施設の合体という事例が起きている


7.環境志向のグリーンスタジアム
ブンデスではコンビチケットがある
試合前後4時間公共交通機関乗り放題(コンサート、オペラ、スポーツ)

  • ドレスデンの事例
  • ドルトムントの事例

8.プロフェッショナルによるスタジアム経営
管理の対象ではなく不動産経営に近いもの
つまりプロが経営しないといけない


9.防災拠点としてのライフスタジアム
備蓄倉庫、シャワー・トイレ、情報施設、医療施設
厨房施設があるので煮炊きが出来る、長期の避難には適している



ここまでがメモ書きをもとにした基調講演(後半部分)。
今回は取り上げられた事例の中からアオーレ長岡のケースをピックアップします


⑥市庁舎を取り込んだ複合型アリーナ
アオーレ長岡とは、2012年4月長岡市に誕生したシティホールプラザ。
新潟県長岡市の市庁舎とBJリーグのアリーナを組み合わせた全国でも希有なケースです

その最大の特徴は、日本では類を見ない複合施設である点にあります

ao-re01
アオーレ長岡パンフレット(pdf)より》

アオーレ長岡は、アリーナ、市役所、市議会に"ナカドマ"が一体化しています。
"ナカドマ"とは「中土間」からきていて、屋根付き広場のこと。独特な雰囲気ですね

そのコンセプトは名称の"アオーレ"に込められています

《福井県中小企業診断士協会 2013年4月22日閲覧》
 
また、今回の設計を担当した隈研吾氏は、「20世紀はハコモノの時代で、駐車場を求めて郊外へ向かった。21世紀は交流の時代で、交流のポイントとなる広場が必要になる。そこで、周辺に施設を配置し真ん中に広場をつくるとともに、この広場と全ての施設がオープンにつながることを目指した」とコンセプトを語った。

"アオーレ"とは長岡の言葉で「会おうよ」。
アオーレ長岡を人とモノの交流する拠点に位置づけているのです。
駅から雨風をしのいで来場できるペデストリアンデッキもその象徴

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業務事例紹介|イートラストより》


アオーレ長岡の建設構想は2006年にスタートしました。

当時、長岡市では「平成の大合併」の影響で市役所機能が分散していました。
この市役所を中心部に移転させるというのが最大の目標だったと言えます

これに加えて街のシンボルとするべく考えついた方向性が「複合化」でした

《PHPビジネスオンライン 衆知|PHP研究所 2013年4月22日閲覧》
 
 以来、6年をかけて完成したアオーレ長岡の特徴は「合わせ技」という言葉に集約できる。
 第一に、「市役所の移転」という直接の政策目的に加えて、「中心市街地の活性化」、「コンパクトシティ化」、「まちの顔づくり」、「市民の交流の場づくり」などを複合的に実現する効果をもたらしていることだ。合併自治体の場合、合併当初は周辺地域に対する配慮が優先される傾向があるが、ある時点からはまちの一体性を高めていく必要がある。アオーレ長岡によるまちなか創造は、こうした時間軸からみても妥当性が高い。
 第二に、「機能の複合化」がある。ハード面の複合化はいうまでもないが、ソフト面に関しても工夫が凝らされている。1階にある総合窓口は、旧庁舎で1階から3階に分かれていた住民異動、福祉、税金など身近な手続きがワンストップでできる。平日夜間や土日祝日も利用可能である。さらに「市役所コンシェルジュ」を配置して、利用者のよろず相談を受け持っている。また、市民協働センターや市民交流ホールが置かれ、さまざまな市民活動の舞台となっている。市民と接することの少ない部局は旧庁舎に残し、市民活動のスペースを優先したのだという。
 第三は、「財源調達の多様化」である。138億円とされる総事業費のうち、積み立ててきた都市整備基金から43億円を充てるなど、未来への投資のためにあらかじめ財源の準備を怠っていなかったことがわかる。さすが「米百俵」の土地柄である。さらに、市民公募債を発行することで市民の参画意識を高めることも狙い、15億円分が早々に完売している。

このレポートを読めば分かるように、綿密に計画的に作り上げられた施設だと言えます

地域におけるシンボルとしつつ、市役所やBJリーグといったソフトを活かす。
「機能の複合化」と一言で言ってしまえばそこで終わりですが、地域のニーズと持っているソフトをしっかりと理解していなければ出来ないことでしょう


余談ではありますが、このアオーレ長岡には職員食堂がないそうです。
中心市街地に市職員が繰り出すことで地域活性化にもなるのだとか。
この考え方からも「交流」というコンセプトを感じ取れます


⑦アオーレ長岡がもたらす地域への影響
まずはアオーレ長岡に対するポジティブな評価を見てみましょう

《長岡新聞 2013年4月22日閲覧》
 
長岡市の新たなシンボルアオーレ長岡がJR長岡駅前のメーンストリート大手通りにオープン して1カ月。来場者は延べ20万5000人に上り、好調なスタートになっている。

オープンから1ヶ月で20万5千人。
長岡市の人口は2013年4月現在で約28万人と全体の70%程度が訪れている計算

《長岡市ウェブサイト 2013年4月22日閲覧》
 
 視察者は451団体に
 市民協働・交流の拠点として4月1日に誕生したシティホールプラザ「アオーレ長岡」。オープンから半年で延べ約88万人が来場しました(上表)。 アリーナやナカドマ(屋根付き広場)、市民交流ホール、市役所など、目的が異なる空間が一体となった全国初の施設が注目を浴び、連日、県内外から民間団体や行政・議会・学校関係者など視察者が絶えません。

オープンから半年で88万人。
1年で来場者数は150万人を超えたそうです

《長岡新聞 2013年4月22日閲覧》
 
中心市街地で働く市職員(臨時・嘱託職員を含む)は約1100人。分散型庁舎配置が完了したことで、マイカー通勤する市職員は70・6%から29・5%に減少。その結果、年間約388㌧の二酸化炭素(CO2)削減が見込まれている。森市長は「(CO2削減は)想像以上に効果があった。さらなる来訪者と回遊性の創出を目指し、中心市街地全体へアオーレ効果を拡大していく」としている。

他にも環境への配慮があげられます。
上記以外でも、可動式太陽光発電システムや雨水循環型環境制御システムを設置。
長岡市産天然ガスによる発電を行っているそうです

平成21年度 第1回住宅・建築物省CO2 推進モデル事業にも選ばれているとか


一方でポジティブとは言えない評価もあります。
次のレポートは長岡市中心市街地活性化協議会が2012年7月に実施した"アオーレ長岡のオープンに伴う「長岡市中心市街地における小売・サービス業アンケート調査」"の報告書

ao-re03
長岡市中心市街地における小売・サービス業アンケート調査より》


ここにあるように70%前後の店舗が来客数・売上げが変わらなかったと回答しています。
また、アオーレ長岡オープンに伴って取り組みをした店舗も半数程度。
周辺地域がその効果を体感しているとは思えない結果だと言えます

原因は様々あるでしょうし、このレポートでもそれについて触れてあるので割愛。
ただ、少なくとも言えるのは「作って終わりではない」ということ

どれだけ完成前に快適・エコだとか賑わいなどという言葉をあげつらえても意味はありません。
実際に地域民から支持され、愛されないとそれはただの箱でしかないのです

《長岡市ウェブサイト 2013年4月22日閲覧》
 
 アオーレ長岡は本日、待望のオープンの日を迎えました。
 いつの時代も市民が集い、長岡の「顔」であったこの地に、長岡の伝統である市民協働・市民交流の拠点が、装いも新たに誕生しました。
 屋根付き広場「ナカドマ」を中心に、アリーナ、市民交流スペース、市役所、議会などの機能が渾然一体に溶け合う、全く新しいコンセプトを形にした公共建築・アオーレ長岡は、市民の創造性を刺激する、かつてないコミュニケーション空間です。
 限りない可能性を秘めたこの空間を、市民が楽しみながら自由な発想で使いこなしていくことによって、アオーレ長岡は限りなく成長していくことでしょう。
 さまざまな人々が立場を超えて交流し、絆を強めていくことで、合併した長岡市の一体感はよりいっそう深まります。アオーレ長岡が心のよりどころとしていつまでも愛され、市民の誇りであり続けることを確信しております。
 みなさん、アオーレ長岡は未来に向かって、今日から歩み始めます。みなさんの知恵と行動力とで、大きく育てていきましょう。

平成24年4月1日
長岡市長 森 民夫

完成時に長岡市市長が読み上げたアオーレ宣言。
この言葉はこれから作られる全てのスタジアムで心に留めないといけない。
私はそう考えています



⑧参考資料、その他の補足
2回にわたって基調講演の"スタジアム八策"について取り上げてきました

前回は"スタジアム八策"の中でも特に分かりにくい「ホスピタリティ」について。
今回は具体的事例としてアオーレ長岡を取り上げる中で「複合化」について触れました。
しかし、"スタジアム八策"そのものについての言及はしていません

理由としてはいくつかあって、そもそも分量的に全て網羅できないだろうこと。
そして、わざわざ説明するよりも後述するJリーグニュース等を見る方が分かりやすい。
そのような理由で一部だけ見る形になっています

【参考】(pdf注意)
《Jリーグ関連書籍・コラム 2013年4月22日閲覧》
Jリーグニュース特別版 スタジアムの未来 1
Jリーグニュース特別版 スタジアムの未来 2

この特集は本当に良質なまとめになっているので是非読んでみてください。
Jリーグが志向するスタジアムの方向性がよく理解できます

その他では、今年2月に放映されたFOOT×BRAINの特集も理解の助けになるでしょう






最後にアオーレ長岡の参考資料を纏めておきます。
今回は取り上げることは出来ませんでしたが、アオーレ長岡の運営も独特です。
市民主体の市民交流ネットワークアオーレなども興味があったら是非

【参考①】

【参考②】

【参考③】

【参考④】



今回はここまで。
次回はシンポジウム前半のラストです


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《Part.4》 第1回サッカースタジアム建設シンポジウム 前半レポート

※当記事は2012年11月5日に開催されたスタジアムシンポジウムに関するものです※


第4回と第5回は基調講演のメインとなるスタジアム八策について。
今回は前半の4つを取り上げ、次回に残りの5つを取り上げます
1.文化としてのサッカースタジアム
Jリーグは豊かなスポーツ文化の振興を掲げている
スポーツ文化=専用
専用には2つある。種目としてサッカー専用であると言うこと

ホームタウンサミット@甲府でアンケート調査を行った
1位仙台、2市場、3位柏、4位清水、5位浦和という順番で観戦環境が良くて快適という結果

県が作ると陸上競技場になり、市が作るとサッカー場になるという傾向がある
街作りという政策が市にあっても県にはない
競技のためという発想で見れば遠くに多目的に作る


2.シンボルとしてのホームスタジアム
もう一つの専用はホームの専用

たとえばスタジアムにエンブレムを付けたりエンブレムを椅子で表す
こういうことが出来るのもホームのスタジアムだから
 
  • ボルトンの事例
  • アストンビラの事例
  • ヴォルフスブルクの事例
  • プレストン・ノースエンドFC:の事例
  • グラスゴー・レンジャーズの事例

愛されるスタジアムとは、愛の証・愛の形とは何か
たとえば絵はがきなどで紹介される
たとえば路線図にスタジアムの場所がサッカーボールとして表示される

  • マルセイユの事例
  • アーセナルの事例

クラブだけでなく企業もホームの意識を示さなくてはならない
ドイツ車の広告…全て本社所在地のナンバープレートを使って世界で広告をしている


3.コミュニティとしてのファミリースタジアム
どんな人でも家族みんなで快適に過ごすことが出来る
屋根、コンコース、鉄道アクセス、車いす、キッズルーム、ファミリー席の必要性

赤ちゃんからサポーターにしてしまえとおしゃぶりまでグッズショップで売っている
グッズショップに入ってすぐ子供用のものを売っているのが定番


4.ホスピタリティのある社交スタジアム
なぜCWCが日本開催でなくなったのか
→ホスピタリティゾーン(社交ラウンジ)がないから

FIFAは世界から集まってきて夫婦単位で社交をしたい
これから国際試合を招くためには重要な視点

  • エディンバラの事例



ここまでがメモ書きをもとにした基調講演(前半部分)。
続いて、今回は"ホスピタリティ"に注目して取り上げてみます

ただし、少し言葉が足りない部分がありますので、その場合は読み飛ばしてください


②ホスピタリティとはなにか
基調講演で何度となく出てきた"ホスピタリティ"という言葉。
どこかで耳にしたことがある方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか

《大辞泉 2013年4月15日閲覧》

1 心のこもったもてなし。手厚いもてなし。歓待。また、歓待の精神。
2 ⇒異人歓待(いじんかんたい)

大辞泉によるとホスピタリティはこのように定義されています。
しかし、シンボルやコミュニティなどと比べると今ひとつピンと来ません。
そもそも"もてなし"といっても具体的にどういうことなのか、異人歓待って何

そこで服部勝人著のホスピタリティ・マネジメント入門(以下、「本書」という)を参考にしました。
まずはホスピタリティの語源について見てみましょう

第2章 1 ホスピタリティとサービスの語源
《ホスピタリティ・マネジメント入門 2013年4月15日閲覧》

 ホスピタリティという言葉は、図1のようにラテン語のホスペス(hospes)という言葉が最初の派生の源になっている。このホスペスという言葉の形成過程を見ると二系統の語源系列が存在する。その一つは「可能な」とか、「能力のある」という意味を持つラテン語のポティスという言葉である。(中略)
 ホスペスのもう一つの言語系列には、古ラテン語ホスティスがある。このホスティスは「ローマ領の住民でローマ市民と同様の権利義務をもつもので味方としての余所者」という意味があった。(中略)
 この経路で合成されたホスペスの原義は「客人の保護者」を示し、「主催者、来客、外国人、異人」などを意味する。

文章で見ても分かりにくいので簡単な画像で表すとこんな感じ。
"hostis"と"potis"が合成されて出来た"hospes"が語源となっています

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《ホスピタリティ・マネジメント入門を参考に作成》

"hospes"から変化する過程でhospitalやhotelのもととなった"hospitale"に。
また、hostやguestのもととなった"hospitem"と"gostr"にも派生しています。
おおもとを辿ればこのような単語にも通じるものがあるのです


次に、ホスピタリティとよく比較されるサービスとの違いを見てみましょう。
ちなみに、サービスはラテン語で「奴隷の」という意味の"servus"から派生した単語。
派生の過程で他に生まれた言葉に「召使い」を意味するservantなどがあります

第2章 4 ホスピタリティとサービスの現代解釈
《ホスピタリティ・マネジメント入門 2013年4月15日閲覧》

このように「サービス」とは、有形及び無形のものを第三者に提供する過程を示すものであることが理解できる。しかし、その背景には主従関係や軍事目的、政府の公共目的、宗教上の儀式など「義務の概念」が常に意識されている。そして、テニスのサービスのように、相手側の立場を配慮するのではなく、自分がポイントを獲得することを優先しているのである。公務員や公共サービスなども、必要とされるレベルの業務を適度に提供するのである。意味のなかには「奉仕」や「貢献」などもあるが、中心は自己の利益や対価を獲得するための義務的・機能的行為であり、そうした語幹によって今日の「サービス」の解釈が為されている事は事実である。

ここまで極端である必要はありませんが、主従関係に近いものがあるのは理解できるでしょう。
本書でも指摘されているように、「お客様は神様です」という言葉はそれを端的に示しています

ホスピタリティはその点で「主客同一」という言葉が使われています。
「主客同一」とは、主人と客人の立場が対等であるということ。
語源となった"hospes"には(その派生を見れば明らかなように)主人と客人の両方の意味が含まれていることからも理解は難しくないでしょう

第2章 5 ホスピタリティとサービスの概念比較
《ホスピタリティ・マネジメント入門 2013年4月15日閲覧》

サービスを欲求に見合うものとして等価交換と位置づけると、ホスピタリティは付加的要素(付加価値)として捉えることができる。つまり、ホスピタリティはサービスの上位概念として捉え位置づけられる。ホスピタリティは常にサービスを内包することから、「サービス無くしてホスピタリティは存在し得ない」のである。

また、本書ではホスピタリティをサービスの上位概念と位置づけています。
これに従えばサービスとは需要と対価に応じて提供されるもので、それを上回る必要性はありません。求められた分だけ提供すれば良いのです

一方でホスピタリティとは、最初から付加価値を加えるものだとされています。
期待感を上回る提供を受ければ、ゲストは再びそれを求めるようになります。
これがリピーターを生み出す源泉であり、欧米社会ではチップ、日本では心付けという慣習に表れているといえます

このことからもホスピタリティが「相互関係」と「共生関係」が重要なキーワードになるのです


ここまでをまとめると次のような感じ
  • ホスピタリティはホスピタルやホテル、ホスト・ゲストなどに通じるものがある
  • 「相互関係」や「共生関係」から生まれるものである
  • 相手と立場が同一である「主客同一」に立脚している
  • 上記を満たすような「心のこもったおもてなし」("心のこもった"が重要


ここまでホスピタリティの語源とサービスとホスピタリティの違いをピックアップしました。
なんとなくでもホスピタリティのイメージが掴めてきていたらいいのですが

余談ですが、ホスピタリティとサービスの関係については各種意見があるそうです。
気になる方は更に調べてみてください


③スタジアムとホスピタリティ
さて、それではスタジアムにおけるホスピタリティとは何なのか。
具体的な話に入る前に少し考えてみたいところです

第3章 4 「米国にみるホスピタリティ産業」からの拡大解釈
《ホスピタリティ・マネジメント入門 2013年4月15日閲覧》

ホスピタリティ産業は、他産業生産誘発効果を受けることが極めて少なく、第一次・第二次産業の産業形態が縦断的産業であるのに対して、「横断的産業(インターリレイテッド・インダストリー)」といわれ、他産業へ与える生産誘発効果が高く、経済的波及効果が非常に大きい産業として評価されているものである。

本書ではホスピタリティとはサービスの上位概念であるとされています。
その上でホスピタリティ産業は「横断的産業」と表現していました

ホスピタリティをサービスの上位概念と捉えればサッカー興業自体がホスピタリティ産業です。
サッカーの試合を核として食事、交通、宿泊、観光など様々な分野に影響を与えています

スタジアムの未来05
Jリーグニュース特別版 スタジアムの未来より》

基調講演やJリーグニュースでは、主に「社交の場」という意味で捉えられています。
しかし、これはサービスの上位概念としてのホスピタリティとは少し違う

したがって、基調講演などで指摘されているのはホスピタリティそのものではなくホスピタリティ・ゾーン、すなわち「ホスピタリティを提供する場」を提供しているのだと考えるべきでしょう

要するに、観客自身がホスピタリティを提供するためのスペースをスタジアムに備える。
それが、FIFAやJリーグなどが推奨しているスタジアム像なのではないでしょうか


hospitality02
2013年3月14日TSSスタジアム特集より》

hospitality03
2012年3月20日フットボールクラッキの特集より》


このように、食事の提供や名刺交換の場はまさに、「相互関係」、「共生関係」の象徴。
それを観客が自主的に行うことが出来る場が必要とされているのです



④参考資料、その他の補足
ここまでホスピタリティについて簡単に記述してきました。
しかし、この分野の研究をブログ1回で説明できるはずもなく。
同時に今回うまく説明できてないと感じてしまう部分もあります

もしも興味を持たれたなら是非ホスピタリティに関係する書籍を読んでみてください。
以下の2冊は個人的なオススメです

ホスピタリティ・マネジメント入門 第2版 [単行本(ソフトカバー)]

ホスピタリティ学のすすめ [単行本(ソフトカバー)]

【参考①】
百年構想のある風景 (65)社交スタジアム
《Jリーグ関連書籍・コラム 2013年4月15日閲覧》

【参考②】
百年構想のある風景 (90)ホスピタリティ
《Jリーグ関連書籍・コラム 2013年4月15日閲覧》

ただ、ホスピタリティをそんなに難しく考えることもなありません
従来のただ観戦するだけのスタイルではなく、新しい観戦スタイルを提供する。
その一種がホスピタリティ・ゾーンだと考えればいいのではないでしょうか

そして私たちはわざわざ言葉を尽くさなくてもその存在を身近に知っています

広島市南区南蟹屋に位置する日本最高のボールパーク。
パーティルームなんてその代表的な姿です

【参考】
《MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島 2013年4月15日閲覧》

試合観戦の際に少しだけホスピタリティを意識してみるのも面白いかもしれません



今回は長くなりましたがここまで。
次回はスタジアム八策の後半です 

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《Part.3》 第1回サッカースタジアム建設シンポジウム 前半レポート

※当記事は2012年11月5日に開催されたスタジアムシンポジウムに関するものです※


Part.3は"スタジアムの進化"というタイトルで進めていきます。
まずは基調講演の概要をまとめた後、それについて少し触れていきます
第一段階…グラウンド
機能:日本の場合は学校、体育、運動

街中に近いが中心にあるわけではない。
人口増加に伴い街中から追い出されていく


第二段階…総合陸上競技場、運動公園
機能:大会開催
対象:選手、役員(客は不要)

非常に遠いので自動車が交通手段で駐車場完備

(日本はここで止まっている)


第三段階…ホームスタジアム
機能:ホームスタジアム
対象:観客、メディア
 
使うのはプロチームなので専用、観客のために屋根、アクセス、飲食などを備える。
しかし、土地がないので郊外に作られる

(ヨーロッパや大リーグの1990年代)


第四段階…アリーナ、パーク
機能:街作り

複合型で試合がない日でも使用され、観光スポットとして使用される

マンチェスターユナイテッドでもホーム試合は30試合程度しかない。
プレミアリーグの観客の5%(78万人)は海外の観光客。
どこのスタジアムに行ったかというとサッカー専用で、かつ、アクセスのいい街中のスタジアム

スタジアムは競技的イメージの言葉。
アリーナやパークという名前がヨーロッパやアメリカでは使用されている


スタジアムは管理→運営→経営というように進化している


世界の情勢
  • イギリスやスペインは最初からサッカー場だった
  • フランスとドイツはW杯のとき作った
  • オランダとスイスはEUROに合わせて作った
  • 韓国はW杯のときに10会場作っている
  • イタリアはユベントスを皮切りに作り始めている
 
日本は開幕のときにもW杯のときにも作れなかった
アジアの中でどのレベル水準にあるかと考えると、日本は危機的な状況



ここまでがメモ書きをもとにした基調講演の書き起こしです。
続いてスタジアムの発展過程について少しだけ気になった点を


スタジアムの発展過程
基調講演ではパワーポイントで示されたスタジアムの発展過程。
もとの映像が一番良かったのですが、稚拙な画像で表すとこんな感じ

スタジアムの進化01

一周回っているあたり、基調講演であった"人間回帰"の一種でしょう

(注記)
当ブログでは"サッカー戦用スタジアム"を陸上トラックのないスタジアムと定義している
同様に、ここでいう専用とは、競技を観戦するのに適した構造を指す
用途・活用方法としての専用とは区別している点に注意



これを日本で当てはめるとこんな形になりました

スタジアムの進化02
《画像は広島市スポーツ協会広島東洋カープJリーグより》

第一段階は学校のグラウンドも当てはまります。
他には例としてあげた中央バレーボール場や中央庭球場なども

第二段階は多くの陸上競技場が該当。
第三段階は豊田スタジアムや埼玉スタジアム。
これらは特に説明の必要はないと思います

マツダスタジアムを街中とするかは議論が分かれるところかもしれません。
第四段階として最も分かりやすくしっくりくるのは旧広島市民球場ですね


このスタジアムの発展過程をどこかで見たことがあり、思い返しているうちに見つけました。
広島サッカー専用スタジアム構想委員会さんの広島市民球場の保存改修案という動画



こちらの38秒からほぼ同じ内容が出てくるのが分かります。
今でもこの動画の価値は薄れていません



ちょっと短いですが今回はここまで。
次回と次々回は基調講演のメインとなるスタジアム八策についてです

順調にいけば来週火曜日、もしかしたら少し間が空くかもしれません 

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《Part.2》 第1回サッカースタジアム建設シンポジウム 前半レポート

※当記事は2012年11月5日に開催されたスタジアムシンポジウムに関するものです※


今回も引き続き"プロスポーツと地域社会"。
前回扱えなかったドレスデンの事例とカムデンヤーズの事例を取り上げます

MOKUJI

《Part.1》 第1回サッカースタジアム建設シンポジウム 前半レポート
《Part.2》 第1回サッカースタジアム建設シンポジウム 前半レポート
《Part.3》 第1回サッカースタジアム建設シンポジウム 前半レポート
《Part.4》 第1回サッカースタジアム建設シンポジウム 前半レポート
《Part.5》 第1回サッカースタジアム建設シンポジウム 前半レポート
《Part.6》 第1回サッカースタジアム建設シンポジウム 前半レポート



③チームカラーに染まったスタジアム(ドレスデンの事例)
ドレスデンはドイツ東部、チェコにほど近い場所に位置しています。
ルドルフ=ハルビッヒ=シュタディオンはディナモ・ドレスデン(2部)の本拠地。
ネーミングライツによってグリュックスガス・シュタディオンと呼ばれています

(レポート作ってたらサンフレッチェ公式の動画がアップされていました)





ドレスデンは第二次世界大戦末期にあったドレスデン爆撃を受けた都市としても有名です。
1922~1923年に出来たスタジアムは戦争によって一度は破壊されました

現在あるスタジアムは、戦後建てられた陸上競技場を改修したもの。
2005年から建築に向けて動き出し、2009年に開場した"サッカー専用スタジアム"。
2011年女子W杯では準々決勝のブラジル代表とアメリカ代表の試合が開催されています

【参考①】
Fussballstadion f  den Club "Dynamo Dresden" am Grossen Garten
《das Neue Dresden Aufbruch und Erinnerung 2013年3月25日閲覧》

【参考②】
Rudolf-Harbig-Stadion – Dresden
《BAM Sports GmbH 2013年3月25日閲覧》

グリュックスガス・シュタディオンはスタジアムがチームカラーに染まっているといいます

Dresden01
Stadion Dresden - Emotionen im Grosformatより》

こちらの画像にあるようにスタンドは黄色一色。
ゴール裏スタンドにはディナモ・ドレスデンのエンブレムも象られています

Dresden02
Stadion Dresden - Emotionen im Grosformatより》

こちらは"Kinder-Geburtstag"というパンフレット。
直訳すると「子供たちの誕生日 その忘れがたい時をスタジアムで!」。
これまた綺麗に黄色に染まっていますね

《Jリーグ関連書籍・コラム 2013年3月25日閲覧》
 
同様に、“ホーム”という意識を共有できるスタジアムを通して関係づくりが行われている。欧州のスタジアムには、ホスピタリティ・ゾーンと呼ばれる大小のラウンジが必須の空間となり、日常から地域の社交場として活躍している。昨年完成したディナモ・ドレスデンのルドルフ・ハルビッヒ・スタジアムの建設に際して、市長曰く「これからのスタジアムは、経済的な合理性もいいが、もっと感情(Emotion)を大切にしようよ」。

ドレスデンの事例は後述する中国新聞の特集で取り上げられています。
そちらもオススメです


④ボールパークのはしり(カムデン・ヤーズの事例)
最後にご紹介するのはオリオール・パーク・アット・カムデン・ヤーズ。
サッカーではなく、大リーグのボルチモア・オリオールズの本拠地です

CamdenYards
OriolePark.comより》

画像を見れば分かるとおり、スタジアムが左右非対称なのが特徴的。
しかし最大の特徴はその中に詰め込まれた様々な仕掛けでしょう

カムデン・ヤーズは大リーグのボールパーク化のはしりだと言われています。
基調講演にもあったように1992年以降多くのチームが"街中スタジアム"に変わりました。
そのパイオニアとなったのがカムデン・ヤーズであり、顧客志向がきっかけです

《日経ビジネスオンライン 2013年3月25日閲覧》
 
つまり、とにかく座席を作って顧客を押し込んでしまえという供給者視点の「プロダクトアウト」的思想から、顧客ニーズを把握しそれを付加価値として取り込むという顧客視点の「マーケットイン」的発想にビジネスモデルが転換されたのです。
言い方を変えれば、カムデンヤーズは多様化した観戦者のニーズを上手く取り込んだ最初のスタジアムとも言えます。かつて(第一次ブームのスタジアム)は、競技を見ることがスタジアムでの唯一の価値だと考えられていました。そのため、顧客の利便性や快適性への配慮を欠いた詰め込み型スタジアムが一斉に建設されたわけです。

「顧客第一」などという言葉は当たり前のように使われています。
しかし、本当に「顧客志向」であるかどうかはしっかりとチェックしなくてはなりません。
口だけの「顧客志向」もまた多く溢れかえっているからです

《スポーツビジネス from NY 2013年3月25日閲覧》

また、こうした外観上の工夫だけでなく、観客収容人数を4万ちょっとまで減らすことで相対的に観客収容率を上げ、チケット購入に対する飢餓感を作り出す(「チケットが売り切れるかもしれない」という状態を作り出すことがチケット販売上最高のマーケティングとなります)、ラグジュアリースイートやクラブシートといった席単価の高い高付加価値シート(プレミアム・シート)を思い切って増設し、座席数を減らしながらも、収益性は逆に高まるというビジネスモデルを作り出したのです。 

カムデン・ヤーズは、まずコンパクトなスタジアムを目指しました。
当時の流行は巨大なスタジアム。NFLの会場としても使用されていたことが原因です。
サッカーにおける陸上兼用と同じように、大リーグではアメフト兼用が当たり前な時代でした

NFLはアメリカのスポーツの中でも最も人気なスポーツと言っていいでしょう。
レギュラーシーズンはもとより、スーパーボウルでは当たり前のように10万人前後入ります。
(奇しくも前回大会の優勝はボルチモアレイブンズ)

一方で大リーグの観客数はそこまで多くはありません。
ことスタジアムに限って言えば"大は小を兼ねる"が通用しないことが多々あります。
「満席」という異常事態に近い状態をより多く作り出すことを重視しました

これは顧客の心理をきちんと理解していなければ出来ない施策です

《Jリーグ関連書籍・コラム 2013年3月25日閲覧》
 
試合を観るためだけにスタジアムを訪れるアメリカ人はほんの一握りである。スポーツビジネスの世界で成功するため(あるいは生き残るため)には、充実した売店、楽しいイベント、気の利いた演出等は欠かせない。問われるのは総合的なエンターテインメントとしての質。これは、アメリカのスポーツビジネスに携わる者が持つ共通認識である。

また、観客の消費に多様性を持たせることも意識しています。
単にスタジアムで試合を見る時代ではなく、たとえばグルメであったりグッズであったり。
そういった試合以外を楽しめる空間作りもカムデン・ヤーズの特徴です

《Damejima's HARDBALL 2013年3月25日閲覧》

91年までボルチモア・オリオールズの1試合あたりの観客数はおよそ3万人だったのだが、カムデンヤーズのできた92年以降は、1試合あたり45000人と、1.5倍にも膨れあがった。これだけ応援してくれるファンが多くなって、いつもボールパークが満員になることがプレーヤーに力を与えないわけはないのであって、97年にボルチモアは98勝64敗の好成績で地区優勝まで遂げている。まさにカムデンヤーズ効果である。 

観客が楽しんでお金を使えばクラブは潤い、チームは強くなる。
これは必ず比例するわけではありませんが強い相関関係があることでしょう

野球から学ぶべき点も多いのではないでしょうか
 


⑤参考資料、その他の補足
前回の要約でビッグスワンと埼スタが地域活性化に貢献していないと記述しました。
正確には下記の百年構想のある風景で述べられている意図だったと思います

《Jリーグ関連書籍・コラム 2013年3月25日閲覧》
 
Jリーグスタジアム観戦者調査2009によれば、過半は家族連れ。郊外にある埼玉スタジアムに5万人、新潟ビッグスワンに4万人、大分ビッグアイに2万人もの人々が、試合のたびに集まって来る。もしも、これらが街中に在ったらどうだろうかと考えると、地方都市が悩んでいるまちなか復活の“青い鳥”は、意外と身近なところに隠れている。

後半のパネルディスカッションでも触れられていますが、埼玉スタジアムは所謂スタ街。
これから数十年かけて街を作っている途中と見るべきで、アルビレックス新潟の存在が地域再生に貢献しているという指摘する書籍もあります

あくまでも地域活性化の面からの指摘だといういうことをご理解ください


さて、ここからは参考資料のご紹介。
中国新聞では3月5日から"都市とスポーツ"というタイトルで連載を取り扱っています

第一回は、この講演でも取り上げられたドレスデンのスタジアム。
第二回は、オランダはアムステルダム・アレナ。
第三回は、デュッセルドルフのエスプリ・アレナ。
第四回は、ザンクト・ヤコブ・パルク(バーゼル)となっています

このうち、アムステルダム・アレナに関しては2008年の調査でも紹介されています

【参考】
《Jリーグ百年構想:熱狂のスタジアム 2013年3月25日閲覧》

濃い内容なので、是非中国新聞の特集は読んでみてください


基調講演の内容は"サッカースタジアム建設 広島で早期実現を!"とリンクします。
Jリーグの資料をふんだんに使ってるみたいなので、改めて見直すのもいいでしょう 




【参考①】
《財団法人 広島県サッカー協会 2013年3月25日閲覧》

【参考②】
#59 「スタジアムはわが街のほこり Jリーグ・欧州スタジアム視察の旅」
《BS日テレ- 百年旅行~Jリーグのある風景 2013年3月25日閲覧》

欧州視察報告も興味がある方はどうぞ



今回はここまで。
次回はスタジアムの進化について進めていきます

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《Part.1》 第1回サッカースタジアム建設シンポジウム 前半レポート

※当記事は2012年11月5日に開催されたスタジアムシンポジウムに関するものです※


今回からライセンス制度に続いて久しぶりのシリーズものです。
内容は、昨年開催されたサッカースタジアム建設シンポジウムについて。
「今更何の話だ」と言われそうではありますが、宜しければお付き合いください

【参考】
11月5日(月)サッカースタジアム建設シンポジウムが開催されました!
《サンフレッチェ広島 2013年3月18日閲覧》


symposium_01
サンフレッチェ広島より》

MOKUJI

《Part.1》 第1回サッカースタジアム建設シンポジウム 前半レポート
《Part.2》 第1回サッカースタジアム建設シンポジウム 前半レポート
《Part.3》 第1回サッカースタジアム建設シンポジウム 前半レポート
《Part.4》 第1回サッカースタジアム建設シンポジウム 前半レポート
《Part.5》 第1回サッカースタジアム建設シンポジウム 前半レポート
《Part.6》 第1回サッカースタジアム建設シンポジウム 前半レポート



⓪前置き

さて、今回のシリーズはひとまず前半の基調講演に関するレポートです。
(後半のパネルディスカッションについては現時点では未定)


シリーズを始めるに当たっていくつか注意点があります
  1. 当時のメモを元に書き起こしているため事実とは異なる可能性があります
  2. パワーポイントを用いながら進められた講演なので分かりにくいかもしれません
  3. 本レポートが講演の議題を全て網羅しているわけではありません
  4. 要約部分に関しては簡潔にすることを意識したため読みにくいものだという前提で
  5. 便宜上、基調講演のパートにタイトルを付けていますが当ブログ独自のものです

また、今回のシリーズに先立って他の方の記事をご紹介しておきます


特にStadium Assistさんのレポートは綺麗にまとめられていてオススメです


それでは早速進めていくことにしましょう。
Part.1とPart.2は"プロスポーツと地域社会"というタイトルで主に海外の事例をご紹介します



①基調講演=プロスポーツと地域社会
この20年間でプロスポーツが"地域に根ざすプロスポーツ"に変わってきている

従来、「体育」や「国民娯楽」というもので皆がお金を出し合って支える対象ではなかった
それが「文化」という側面を持つようになったことで投資の対象となったから

  • ロンドンオリンピックでの取り組み
  • コベントリーの事例 ⇒今回PICKUP!!
  • ドレスデンの事例 ⇒次回PICKUP!!

何故今スタジアムなのか

世界は今人間回帰という言葉で街中に暖かみのあるスタジアムに移行し始めている

クラブにとっても、Jリーグにとってもスタジアムは重要
ライセンス制度も含めて、クラブにとってスタジアムビジネスが経営上重要になってきている
Jリーグは、リーグの価値を高めるという意味で臨場感を重視している

また、地域のシンボルとしてスタジアムが位置づけられるようになってきた
文化・経済両面で求心力になる

街スタ=街中にスタジアムが出来るケース
スタ街=スタジアムを核にして街が出来ていくケース


スタジアムは万人単位で人を集める大集客装置である
単にスポーツの場所ではなく人を集めているという性格を考えるとどこにあれば良いか

地域活性化が出来ているとは(現時点では)言いがたいケース
  • 新潟スタジアムの事例 ⇒次回補足
  • 埼玉スタジアムの事例 ⇒次回補足

集客装置の複合化に参考になるケース
  • 駅ナカや空港ビルが街のようになっている
  • ソラマチ
  • 大学や図書館にカフェ
  • 美術館にレストラン
  • シティホールプラザ『アオーレ長岡』の事例

大リーグは20年前から大改革が始まった
それはボルチモア・オリオールズのオリオール・パーク・アット・カムデン・ヤーズがきっかけ
1992年から30チーム中22チームが野球専用の街中複合スタジアムに変わっている

  • カムデン・ヤーズの事例 ⇒次回PICKUP!!



ここまでがメモ書きをもとにした基調講演の書き起こしです。
続いて上で取り上げられた海外の事例を見ていくことにしましょう


②商業施設がセットになったスタジアム(コベントリーの事例)
コベントリーはイングランド中部にある都市。
コベントリー・シティFC(3部)の本拠地、リコー・アリーナがあります。
正式名称はCity of Coventry Stadium

実は、Jリーグの欧州スタジアムレポート(2008年)でも取り上げられていました

(注記)
以下はその情報に従っているため現在は定かではない部分もある

ケース・スタディ4 リコー・アリーナ  (イングランド、コベントリー)
《Jリーグ百年構想:熱狂のスタジアム 2013年3月18日閲覧》

完成したアリーナは、サッカー・スタジアム、エキシビションホール、カジノ、ホテルなど、複合的な機能を持つ。公民折半で立ち上げた運営会社 ACL は、リコー・アリーナ稼働後 2 期目に単年度黒字を計上した。
【参考①】
40. スタジアム内ホテル(Ricoh Arena)
《YUMIKO TAMARU PHOTOGRAPHY 2013年3月18日閲覧》

【参考②】
【コベントリー】ロンドンオリンピック、女子サッカーなでしこジャパンVSカナダを観戦レポート

《世界で暮らそっか。-sekai de clasocca- 2013年3月18日閲覧》

リコー・アリーナはホテルが中に入っているという変わったスタジアムです。
他にもスタジアム内のテナントにはカジノやフィットネスクラブも入っているとか

百年構想のある風景 (75)街中スタジアム
《Jリーグ関連書籍・コラム 2013年3月18日閲覧》

スタジアムでホームゲームが開催される日数は、ビッグクラブでも、年間僅か26~7日にすぎない。多額の投資額に対して、1年365日眠ることなく、地域社会の人々といつも接点を持つようなスタジアムが求められるようになった。スポーツ以外の分野で稼働率を高め、施設全体の収益を上げる。もっとも、日本のドーム球場のような「多目的」とは異なり、あくまでホームとして地域の誇りを示す「顔」であり続けねばならない。

2008年5月期のスタジアムの売上げは次の通り

RicohArena
欧州におけるサッカースタジアムの事業構造調査より》

こうしてみると収入源の分散は明らかです

ケース・スタディ4 リコー・アリーナ  (イングランド、コベントリー)
《JJリーグ百年構想:熱狂のスタジアム 2013年3月18日閲覧》

コベントリー・シティ FC は、市の中心部にあるホームスタジアムを、郊外に移転させる計画を練っていた。クラブが 100 年近く本拠地としていたハイフィールド・ロードは、あまりにも住宅街に近接しすぎていた。またプレミアリーグ全体に、郊外の新スタジアムへ移転する流れがあった。

ただ、"街中スタジアム"であるかどうかは少し疑問を持っています。
地図で見る限りではそこまで郊外だという印象は受けないかもしれませんが、前本拠地のハイフィールド・ロードから移転する際に中心部から離れたのも事実です

カジノやホテルなどの併設にはその影響があったのではないかと推測できます。
"そういった機能を持たせたスタジアムもある"という程度に留めた方がいいかもしれません



今回はここまで。
次回はもう少しだけ海外の事例をご紹介したいと思います


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